大手の長期インターンって実際どう?|体験談から就活での評価も解説

就活を本格化させる前の大学2〜3年生にとって、長期インターンシップはガクチカ作りに大変有効な手段です。
また、参加するのであればなるべく大手企業の長期インターンシップが良いと考えられる方も少なくないと思います。
そこで本記事では、長期インターン支援に特化したキャリアアドバイザーの視点から、大手企業での長期インターンのリアルな実態を、参加学生の体験談も交えながら徹底的に解説します。
これから応募を検討している方にとって、進路を決める上での判断材料を網羅的にお届けします。
そもそも長期インターンとは?短期との違いも整理

まず、「長期インターン」とは何かを整理しておきましょう。
一般的には3ヶ月以上の継続的な業務型インターンを指し、報酬が支払われるケースが多いのが特徴です。
これに対して、1日から1週間ほどの“短期インターン”は、大手企業がよく実施している職業体験型であり、主に採用広報を目的としています。
つまり、大手の長期インターンは「即戦力人材の育成」や「本選考前の見極め」を目的とした、より選抜型で実務寄りのプログラムだと言えます。
期間は3ヶ月から1年程度、時給は1,000〜2,000円前後が相場で、ES・面接・課題などの選考を経て採用可否が決定されます。
配属先はマーケティングや営業、IT、新規事業、人事、技術系など様々です。
実際の仕事内容を配属部門別に解説

次に、実際の仕事内容についてイメージを持っていただきましょう。
例えばマーケティング部門では、朝の全体朝会から始まり、前日の数値報告やSNSキャンペーンの進捗を共有します。
インターン生は分析レポート作成や競合リサーチ、広告案のレビュー参加などを通じて、施策の裏側を体感できます。
営業や企画部門では、営業先のリストアップや提案資料作成、顧客ヒアリングの同席といった業務を経験します。
実際の訪問に同行する機会もあり、ビジネスの現場感を学ぶには最適の環境です。
エンジニアや開発部門では、開発チームに加わって小規模機能の改修やUI改善などを行います
コードレビューを受けながら社内のルールを学び、設計思想やプロジェクトの進め方を深く理解することができます。
大手の長期インターン経験は就活で有利になる?

大手の長期インターンに参加する最大のメリットのひとつは、就活での評価が非常に高いことです。
企業名の認知度があるため、ESや面接の場で「この会社でインターンをした」と伝えるだけで、一定の理解が得られるのは大きな強みです。
また、インターン選考の過程自体が“ガクチカ”として活用できる点、企業文化とのカルチャーマッチを早期に確認できる点、さらには内定直結型のプログラムが存在する点など、就活生にとっての恩恵は大きいものがあります。
さらに、大手企業ならではの教育体制の整備も見逃せません。
初日にはビジネスマナーや情報セキュリティの研修が用意され、日々の業務にはメンターや先輩社員によるフィードバックが組み込まれています。
これは、学生のうちに「社会人の型」を学ぶ上で非常に価値ある経験となるでしょう。
よくあるギャップと課題点

一方で、よくあるギャップも存在します。
それは「思ったより裁量が少ない」という点です。
意思決定には多くの承認プロセスがあり、スピード感には欠ける場合があります。
ベンチャーのように最初から大きなタスクを任される環境を想像していると、物足りなさを感じる可能性があります。
インターン経験者の体験談

では、実際に大手の長期インターンを経験した学生はどのように感じているのでしょうか。
以下、2人のリアルな声をご紹介します。
広告代理店での長期インターン体験談
私は大学3年の時に、広告代理店のマーケティング部門で長期インターンを経験しました。
最初はExcel作業やバナーの文言を考えるような業務が中心で、正直「想像してたより地味だな…」と思うこともありました。
しかし、毎週社員さんからフィードバックをもらいながら、少しずつ業務を任せてもらえるようになり、自分が出したアイデアが実際の広告に採用されたときは本当に嬉しかったです。
華やかな業界の裏で、地道な積み上げがどれだけ大切かを学べた、すごく貴重な時間でした。
エンジニアとしての長期インターン経験
僕は大学院生のとき、大手メーカーの開発部門でエンジニアインターンをしました。
配属初日はとにかく緊張して、設計書の専門用語に圧倒されっぱなしでした。
毎週のコードレビューでは、何十行にもわたって指摘が入って凹むことも多かったです。
しかし、そのぶん一つひとつ改善していく中で、リーダーから「ここはもう任せていいよ」と言ってもらえたとき、ようやく自分の成長を実感できました。
厳しいけど、本気で鍛えられる環境だったと思います。
ベンチャーとの違いと向き不向き

ベンチャー企業との違いも確認しておきましょう。
大手企業では、裁量は段階的に広がり、教育体制が充実しています。
一方、ベンチャー企業では初期から多くを任されるためスピード感があり、試行錯誤の中で成長する経験が得られます。
どちらが良い悪いではなく、自分が求める環境や学びたい内容によって適性が異なるのです。
選考突破のための準備ポイント

選考対策としては、「なぜその企業か」「自分は何を学びたいか」といった志望動機を明確にすること、過去の経験を言語化し再現性を持たせること、自己理解を深めることが求められます。
専門職志望の場合は、ポートフォリオなど具体的な成果物を準備しておくと有利です。
また、意識しておくべきポイントは“受かった後”が本番だということです。
名前のある企業に入ることがゴールではなく、その環境をいかに使い倒すかがカギになります。
開始前に「半年後、自分は何ができるようになっていたいか」を定めておくことが、充実したインターン期間につながるでしょう。
まとめ|目的意識を持って参加することが重要

大手企業の長期インターンは、就活対策としての実績づくりやスキルの習得だけでなく、「自分にとっての“働く”とは何か」を具体的に試す絶好の場です。
ネームバリューに惹かれて飛び込む人も多いですが、最終的に得られる価値は日々の業務の中でどれだけ主体的に動けるかに大きく左右されます。
裁量の範囲、スピード感、組織構造——大手ならではの環境に身を置くことで、これまで見えていなかった“自分の強みや弱み”にも気づけるはずです。
そしてその気づきこそが、就職活動やその後のキャリアにとって、何よりの財産になります。
「有名企業でインターンした」だけで終わらせず、「自分にとって意味のある時間だった」と胸を張って言えるように。
そんなインターンを、あなた自身の意志でつくることこそが最重要なのです。
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